「関与していない」という関係の仕方における「関与」

  • 2018.03.15 Thursday
  • 00:09

 

おきまりのように、首相の「言っていない」「関与していない」という、同じ繰り返しの答弁。

それは、書かれたものとしても、実際の司令や命令が、「なかった」こととしての「真実」であるが、巧みに作られた真実であり、

「関与していない」と強く断言できるほどの関与があったからの、関与の消却である。

財務省は、だから、公文書書き換えをして、その真実がなかったかのようにするほど、事実・真実があったということだ。

「Xをしていない」ことを打ち出せれば打ち出せるほど、「Xがなされている」ことが構成できた政治は、統治がうまくいっていることであるが、Xがなかっということによって事実を消し去ることはできないのも、それはすでに実際になされて「在る」からだ、8億円もの値引きがなされた結果は消せない事実として「在る」のだ。森友学園が開設されなかった、不正事実は事実として結果している、それは消せいない。

「誰が」など、主体探しをしているから、そんな主体はない、巧みに消されている、責任主体を消すなど官僚言語の常套手段である。

主体の問題ではないことが、大学知性にはわかられていないことが蔓延している、その典型である。関係の不可避の構成が読み取れないのだ。

見えていることだけが真実だと思い込まれて、かつ、真実や事実は客観的なことであると思い込まれている、それは、浅はかな悟性の産物でしかない形式であることが、考えられ得なくなっている。ましてや、実体の属性さえも感知できなくなっている。

 

構造化された大学知性が、究極的に徹底化されている現在であると言える到達段階にあるが、それが、大学生になったばかりの学生たちにも先取的に「pre-disposition」として浸透しきっていると感じて、わたしは大学をもう知性が作用する場ではない、意味なしとさっさと定年前に辞めてしまったが、どこかにかすかにあった隙間さえなくなった実感を持ったからだ。10年以上前にそれは起こっていたのであるが、それが究極にまできている現在であると、見える。

すると、どういう事態が起きていくか、それが、この官庁の公文書や企業の解析データの「改ざん」であるが、規則世界を遵守しようとして規則をやぶる逆生産性として必ず出現する。この逆生産性は、絶対的に回避し得ない、必ずある閾を超えたとき出現する。そして、機能停止する。

 

「佐川が」と呼び捨てで、断罪的対応をする麻生の言動は、すべて佐川のせいだと個人化することで処理しようとする極限にきていることで、その断罪化が崩れる限界にまで至っているのを意味する。事実は、個人主体責任にはないから、その麻生が作っている事実は崩壊する。安倍3選は終わった。もし、それでも残るようなことがあれば、日本の本格的政治崩壊の確定になる。自民党が、そこまで政治ぼけしていると思えないが、自民党自体が2極的構造を作れなかったなら自民党がいずれ解体するだけのことだ。野党が2大政党を作れるほどの力量はもはやない。

政治の腐敗、終焉は、何をこれから日本へもたらすのか。「支配するimperare」政治が意味を持たない次元で、物事がなされていくことなのだが。imperiumが成立しないcivitas状態の出現である。それは、civitasをも超えていく、<国家>ではない<場所>政治である。商品ではない、資本の産出である。

学校化された主語制「能力の再生産」構造から、非学校化の述語制「技術スキルの再生産」様式への移行が始まることを願う。

 

そんな中、スピノザの『国家論』(岩波文庫)の邦訳を見て、驚愕した、めちゃくちゃである。

大学闘争後の大学知性の落下は凄まじい、どん底状態にまできている。その凋落の兆しは、60年代にもう蓄積されてきた。

そこに巻き込まれまいと、なんとか自分なりに格闘してきたが、一人で脱出しうるような言説層の事態ではない。

あちこちの古典の邦訳の「デタラメさ」を蔓延させてきた大学知が、一般化している、それが乗り越えられないと、知性・理性が作用しうる場はなくなる。

誤認にまみれた近代的思考形式の役目は、終焉させないと、大変なことになる、その水準へきている。

 

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< April 2018 >>

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

吉本隆明と『共同幻想論』
吉本隆明と『共同幻想論』 (JUGEMレビュー »)
山本哲士
共同幻想の統治制化として「共同幻想国家論」を構築

recommend

フーコー国家論
フーコー国家論 (JUGEMレビュー »)
山本 哲士
統治制化の国家配備を理論解読。
直販は、ehescbook.comへ

recommend

思想を読む 世界を読む
思想を読む 世界を読む (JUGEMレビュー »)
吉本 隆明,山本 哲士
吉本さんとの25年間の対話
直販、ehescbook.comへ

recommend

高倉健 藤純子の任侠映画と日本情念
高倉健 藤純子の任侠映画と日本情念 (JUGEMレビュー »)
山本 哲士
もののふの文化史から「ごろつき」の憤怒と情愛。直販は、ehescbook.comへ

recommend

〈もの〉の日本心性 (哲学する日本II)
〈もの〉の日本心性 (哲学する日本II) (JUGEMレビュー »)
山本 哲士
触れえない「もの」を感知し技術化している日本文化。
直販は、ehescbook.comへ

recommend

国つ神論:古事記の逆立解読 (山本哲士の場所論 1)
国つ神論:古事記の逆立解読 (山本哲士の場所論 1) (JUGEMレビュー »)
山本 哲士
古事記を国つ神=場所神から徹底解読。
直販は、ehescbook.comへ

recommend

哲学する日本
哲学する日本 (JUGEMレビュー »)
山本哲士
非分離・述語制・場所、非自己の日本原理。
直販は、ehescbook.comへ

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM