「純粋スポーツ」としての金メダル!?:スピード・スケートの小平と高木姉妹+菊池・佐藤の偉業

  • 2018.02.25 Sunday
  • 04:01

 

小平の500mの金メダル、そして女子パシュートの金メダル、そこに、わたしは、「純粋スポーツ」と称しても構わない究極化を感じてしまう。

ただ、ひたすらの追究と努力、自己格闘、そしてそれに必要な、理論と道具、コーチの卓越した指導。そして、何よりも、小平や高木姉妹の実力への研鑚。

スポーツに「純粋」なるものなどないのだが、その次元を超えてしまった何かがある。それが世界一になっている。

氷の語りを引き受ける小平の述語的スケーティングの追求。

パシュートの一糸乱れぬ、非分離の述語的訓練の結晶。オランダの主語的行為を確実に超えてしまう述語的滑りは、徹底した述語的協働の形成の結果である。非分離形成が、構成されるのに、どれほどの時間がかかるものであるかの実例である。2週間で、日本チームに勝てる、などというオランダの主語的行動を、それは、確実に打ち破った。

ここに、羽生の金メダルを入れたくないのは、キムヨナの時のような、ただ勝つためのオーサー・コーチの策術を感じてしまうからだ。確かに、実際競技もなく、試合に出て再び金をとるなど、尋常ではなしえない大変なことだが、不可避にレベルを下げて、怪我を押しての「ただ勝つため」に点数構成された金である。(純粋だった羽生は勝利後、どこか雰囲気が変になっている。堂々と王者然していればいいのに、「ただいま」とか「ありがとう」とか、気持ち悪い。)

 

小平や高木姉妹の競技には、レベルを下げるなどの策術は微塵もない。全力を出し切っての、純粋スポーツを仕切った、究極の金メダルだ。

マススタートの高木姉の金メダルもすごいが、この競技の戦術的やりとりは「面白い」が、駆け引きを不可避に伴う。

だが、スピードスケートの純粋さは、陸上の100mのように、「純粋化」へのいちづの努力の集積だ。スケート靴や競技服の技術的追究もその付帯条件として純粋技術化へ向かっている。

そして、コーチたちが、すごい。その戦略もいちづだ。

そこに、カーリングの銅メダルも入れたい。負けても笑顔で徹した、しかし、試合後の涙、純粋だ。ミスを、責めない、動揺しない、協働ワークは、あまりに爽やかだ、気持ちがいい。影の本橋の指導的存在も立派、前日シュートがどこかずれてしまう鈴木を一人、朝から指導していた、そして3位決定戦では鈴木は見事に修正されていた。しかも、それを口に出さない。北海道の小さな<場所>から、世界を目指し、メダルへと成就した。イギリスのミスからの勝ちであったが、そこへ追い詰めた、数センチの戦いであった。場所スポーツの典型になっていく兆しである。

 

社会科学者は、カントの純粋美學を否定するのだが、この度の、小平と高木姉妹の苦闘の日々、そして菊池のサポート、佐藤の必死の食いつき、これを「純粋」スポーツと言わずしてなんと言えよう。

たいへんな感動をもらった。何度見ても、興奮する。

メダルに届かなかった選手たちのひたむきな努力にも賞賛を送りたいが、やはり、世界一になるということは、至高の技である。そこを目指してのことだ。メダリストたちの苦闘、その偉業は、いくら讃えても讃えきれない偉業である。

 

純粋スポーツ?! そだねー。

 

 

 

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