参院選と都知事選:裁判モデルへ転移した政治?!

  • 2016.06.22 Wednesday
  • 14:54

参院選と都知事選が、ほぼかさなる事態がおきてきて、いったい、国家は<わたし>に何をなしているのか、そして首都は、いかなる機能をもって<わたし>に関与しているのか、そこにさらに十八歳からの選挙権の拡大もからんで、「政治」とはいったいなんであるのか、それは、いまやどう変わってきているのかが、辞職した都知事のあまりに典型的な不能・無能の出現を政治劇場でみせつけられて、考えさせられる。

 

おそらく、日本で「市民社会」なるもの、らしきものが、やっと浮上してきて、国家・対・市民だけではなく、政治家・対・市民という構図が、対抗的に出現してきたといえるのかもしれないが、市民性なるものは、ただ監視の、外在的作用であって、政治参画へとはいたっていないのではないか。お上にしたがうという、ある伝統的心性が、もはや機能しなくなってきたとき、根源的な対立・対抗が強まってきたのではなく、国家との合一性がかえって強化されてきたように思われる。

 

それは、階級利害の対立ではもはやなく、ある政治意見をめぐる対立であって、イギリスのEU離脱か残留かの、意見の選択に顕著なように、二項対立のいずれかを選択する政治決定に移行しているようにおもわれる。舛添都知事に、続投か残留かを決定するように。

憲法改正に反対か賛成か、へと日本の場合は集約されていこうが、ある政策に賛成か反対かという構図として一般化される。

これは、adversaryとして、裁判モデルである、有罪か無罪かである。

本来は政治ではない、それが政治行使のなかに介入してきてしまっているのだ。

自公は有罪か無罪か、野党連合は有罪か無罪か、の判定としての選挙、という構図だ。

その機軸は、アベノミクスは有罪か無罪か、の判定だ。

 

そこに、この現実世界の泥にまみれたじいさん・ばあさんと、世の中の複雑なからみなどまったく感知しえていないあっぱらぱっぱあの十八歳の若者との対話を、TVでやっていたが、その隔絶は、脅威でさえある。政治とお金の問題で首長がかわるなら、お金持ちがなればいいとまったく無知のまま意見をのべる若者と、頭のいい官僚が実際はやることだから、知事はビジョンだけ言っていればいいというじいさんの経験知からの無知とが、交通する異常さは、「脅威」である。一億総白痴化の警鐘をならした大宅が、みたならなんというか?

 

政治と経済の非対称的な両極化は、真と偽とを識別する「真理の体制」が現実におかれたものであって、イデオロギーでも錯覚でもない、存在しないものが、真理次元へ配備されたことでしかない、という自由主義の本質が露出してきている。そこへ、原発のメルトダウン隠蔽が民主党官邸からの指示であったという報告が提出され、「真と偽」の構図で仕掛けられた、そこに顕著に出現している。東電の経済と国家政治との関係だ。企業体として、原発爆発への自覚などまったくない、そこが本質もんだいであることが、指示されたか否かの真偽問題へ転じられる。

国民は、こんな茶番の政治も経済ももはや信用してなどいない、本質を見抜いてはいるのに、なぜ国家の共同意志へと合一化してしまうのか。

 

都知事候補も、新たな政治劇場をつくっているだけだ。そして、選択ではない、判定がくだされるものになっていく。

 

いつになったなら、選挙という間接政治の政治のなさが、真の直接参画の政治になっていくのか、そうならないかぎり、茶番の政治劇場が上演されるだけだ。

直接参画の政治とは、場所政治以外の何ものでもない、災害対策を機にして、その実際行為がなされていかないと、自分自身へとんでもない被害がおきること、それはもう感知されている。

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