Its gonna happen. シカゴ・カブス、108年目の優勝。

  • 2016.11.04 Friday
  • 10:07

 

シカゴ、カブスが、108年目の優勝をはたした。それは、ほんとに起きた。

1勝3敗で、今年もまただめかと、ヤギの呪いの魔力には勝てないのかとおもったが、ホームラン・ボールを、ファンにとられず、外野手が捕ったことで、呪いがとけたかのように、快進撃をとげ、チャップマンの抑えを打たれてしまおうが、延長戦で、ぎりぎりで勝ち抜いた。ついに「ヤギの呪い」がとけたと、シカゴは、たいへんなことになりそうだ。

大リーグには、もともとファン感覚がないので、淡々と観ているだけなのだが、『私はウォーショウスキー』の女探偵の映画を観て、そこで、撃たれた彼氏が、タンカではこばれるとき、「カブスは今日は勝ったか?」と尋ねると「勝つわけないだろう!」という会話があり、大洋ホエールズと一緒だと、とりあえずのカブス・ファンにはなった。サミー・ソーサの登場で、急に強くなるも、福留が入ったころつまらなくなり、地区優勝はなしていたが、野球自体がおもしろくなく、ときたまみていたにすぎない。

今回も、ぼやっとしかみていなかったが、急におもしろくなってきた。日本シリーズとかさなったのだ。緒方監督が、もうすこし、野球のプロ性がわかっていたなら、7戦までいって、黒田登場での最大にもりあがる日本シリーズに外野ながら期待していたが、ルーチン化の陳腐化を守って、敗北してしまった。それに比して、カブス対インディアンスは、ルーチン化が崩れていく、そこをこえていく短期決戦のおもしろさが、十分に出現した、じつにおもしろい闘いになった。日ハムの栗山監督は、それに近いことをなした。「いま、ここで、このとき」をなすことだ。緒方は、レギュラーシーズンのルーチンを繰り返して、場所の機を喪失していた。それは、ヴェーバーが言うように、陳腐化するにきまっていることだ。官僚試合をしてしまった、「神っている」広島はそこからは出現しない。

ワールド・シリーズの第7戦、カブスは、2回であったが、先発第一線のピッチャーの3人が、並んでの道行きを演出した。かっこいい。こういうことは、つまらぬことではない、非常にプロ的な劇場化であるし、観ているものは心躍る。広島が、中継ぎが打ち崩されたとき、黒田を中に、先発第一線を並べて、ベンチかブルペンに立たせただけで、効果があるのに、7戦ででるかでないかわからない雰囲気では士気はあがらない。少なくとも7戦は、黒田だ、と明言すれば事態は大きくかわっていたはずだ。他方、栗山は、大谷をバッターボックスで、デモンストレーションさせた。もっと、あざやかな仕方をしてほしかったが。こざかしさではない、象徴的闘争をしかけることも大事なのだ。

「ヤギの呪い」とは、カブス観戦にペットのヤギを連れて、ヤギの入場料も払って観ていた一人のファンを、ワールド・シリーズで、ヤギが臭いと入場拒否した、そのとき、カブスはヤギの入場を認めるまで永遠に優勝はできないと呪った、それが1945年から、ずっと続いたのだ。ヤギと同じ名を持つ選手からホームランを打たれて負ける等の敗北の繰り返しであった。

大洋ホエールズ、ベイスターズの、かつての37年ぶりの優勝に比して、カブスの108年ぶりの優勝とは、すごいはなしだが、インディアンスの方も、68年ぶりになるかもしれないという、野球の長い歴史物語にふさわしい、すごい試合だった。

インディアンスの方も映画『メジャーリーグ』では、最初の応援団数人が、「勝つわけないだろう」の試合から、近眼のチャーリー・シーンがはいって、眼鏡をかけて優勝というはなしであったが、7戦にはチャーリー・シーンも観戦していた。カブスの方も、『バックトーザヒューチャー』で、カブスが優勝したのが2015年であったが、1年遅れでなしとげた。カブスの優勝は、映画の脚色にもなるほどのことであったのだ。

「勝つ分けないだろう」という、この気持は、大洋ホエールズ・ファン感覚で、万年ビリかBクラス、優勝チームがどこかさえ関心がないという日々であったのが、「勝ってしまう、負ける気がしない」という劇的な転換をあじわえた、優勝の年であった、それがなつかしい。カブスにかさねられた。いまや、ファン気質もかわってしまい、負けていても球場がいっぱいというマネジメントがやっとうまくなってきたDeNAになっているが(TBSのダラ官経営にうってかわって、とてもいいことだ)、三浦大輔もいなくなり、まったく違う世界になってしまった、おもかげはどこにももはやない。ファン難民になって、遠くから野球をみているにすぎないわたしは、ただ永遠の「大洋ホエールズ」ファンである。栗山が、自分が尊敬するのは三原監督だといっていたが、なつかしく聞こえる。選手の力を信頼し、その調子をその場のそのときで、つかい活かす。ルールや定式に選手を従わせる、野村や森の野球が大嫌いなわたしであった。

来年は、WBCだ、愉しみである。

(W23は、初代優勝した。決勝試合は、大逆転ではあったが、全体的に未熟であまりおもしろくなかった。)

 

 

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